ニュースで見かける乳幼児の事故、見聞きするたびにぎゅっと胸が締め付けられるような気持ちになる方も多いのではないでしょうか?
大人の想像を超えた行動をとる子どもの姿は、可愛くもありときにヒヤっとすることもあると思います。些細な行動でも事故に繋がってしまいそうで、かたときも目を離せませんよね。
そこで今回は、年齢別に見た乳幼児に起こりやすい事故と、その予防方法についてご紹介していきます。
子どもの笑顔を守り、安心して子育てができるようにぜひ最後までご覧くださいね。
目次
どうして子どもの事故は起きる?
子どもに起こりやすい事故は、その多くが身体機能の未熟さや危険を予知する能力が低いために起こるものです。そのため、子どもの年齢や発達度合いによって、起こりやすい事故は異なります。
年齢別に起こりやすい事故とその原因、予防法まで詳しく説明していきますね。
0歳に起こりやすい事故と予防法
窒息(ベッド内)
0歳児に起こりやすい事故は、ベッド内での窒息です。
窒息といっても様々な要因で起こりますが、特に多いとされているのは、ベッド内での不慮の窒息や絞首です。顔が枕や布団に埋もれてしまったり、首がベッド柵に挟まってしまうなどが挙げられます。
予防のポイント
・顔が埋もれたり体に絡まるような寝具やぬいぐるみは、ベッド内に置かないようにする。
・室温の調整やスリーパーを活用するなどして、なるべくベッド周りを整理する。
窒息(胃内容物の誤えん)
また胃内容物の誤えんによる窒息も多く報告されています。これは、ミルクや離乳食など、胃の内容物を誤えん(誤って気管に入ってしまう)してしまうために起こる窒息です。
原因としては
・授乳量が多すぎる
・授乳後のげっぷが不十分で胃が張ることで嘔吐しやすくなってしまう
・離乳食を口に詰め込みすぎる、早飲みする
などが挙げられます。
予防ポイント
・ミルクをあげた後はしっかりとげっぷをさせ、胃の中の空気を排気する。
・離乳食を与える際は、一口量を調整できるよう必ず大人が見守りながら行う。
0歳児はまだまだ思ように体を動かせないので、大人がしっかりと安全な環境を整えてあげることが大切です。筆者はベビーモニターを使い、子どもが寝ているときの様子も見れるようにしていましたよ。
1歳に起こりやすい事故と予防法
溺水(浴槽)
1歳児に起こりやすい事故は、浴槽内で起こる溺水です。
「大人が洗っている間に子どもだけで入浴し、目を離したタイミングで溺水してしまった。」
「夜中に自分で風呂場に行き、水を溜めていた浴槽で溺水していた」
「浴槽の底に落ちたおもちゃを取ろうとして溺れてしまった」
という悲しい事故が起きています。
予防ポイント
・入浴中は一人で浴槽に入れず、必ず大人と一緒に入浴するようする。
・子どもが小さいうちは、浴槽に水を溜めずにその都度排水する。
・災害対策として湯船に水を溜めているご家庭では、お風呂場の鍵を閉めるなど対応する。
筆者の息子も浴槽内のおもちゃを取ろうとして落ちてしまい、とっさに抱き上げた経験があります。それからというもの、子どもがどんな所に興味関心を抱くのか、どんな危険性があるのかを予測して環境を整えるようになりました。
2歳に起こりやすい事故と予防法
窒息(食物の誤えん)
2歳児に起こりやすい事故は、食物の誤えんによる窒息です。誤えんというのは食物をはじめとした固体・液体が誤って気管に入り込むことを言います。離乳食が終了し幼児食へ移行するこの時期ですが、食べ物を勢いよく口に入れ飲み込もうとして窒息してしまう事故が後を断ちません。乳児期の気管は大人の小指程度と言われており、枝豆やぶどうなど丸く小さいものは、そのままの大きさで与えると誤えんしやすく危険です。また、食事に集中せず遊びながら食べてしまうと、勢いで飲み込んでしまい誤えんに繋がることがあります。
予防ポイント
・球体のものは4等分に切り分け、確実に飲み込めるように工夫する。
・食事の場面では、食事に集中しふざけて飲み込んだりしないよう声をかける。
・一口量を大人が確認する。
スムーズにスプーンやフォークなどを使えるようになり、食事が楽しくなる時期でもあります。それとともに、集中力が散漫になることでの遊び食べが増えることもあります。
筆者の息子も食事中に集中力が無くなってくると、ふざけて口の中に食べ物を詰め込むことがありました。それからは、食事の場面では子どもの視界におもちゃやテレビが入らないよう工夫し、メリハリを付け集中できる環境作りを心掛けるようにしました。すると、次第に遊び食べが改善されていったので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
3歳に起こりやすい事故と予防法
溺水(自然水域)
3歳児に起こりやすい事故は、川や海など自然水域での溺水です。自分の足でしっかりと歩いたり走ったりできるようになり、家族でレジャーに出かけることも多い頃ですよね。楽しい時期なのですが、大人が少し目を離した隙に迷子になり川や海へ転落してしまう事故が多発しています。
予防ポイント
・お散歩のときは大人がしっかりと手を繋ぎ見守る
・雨が降った後の川や用水路は増水している危険性があるため不用意に近づかない。
近年は水害が増えており、災害に巻き込まれるなどのニュースも多く聞かれますよね。
筆者は自然の多い場所に行くとき、前後の天気予報を必ずチェックするようにしています。
4歳に起こりやすい事故と予防法
高所からの転落
4歳児に起こりやすい事故は、高所からの転落です。出窓やベランダの扉から覗き出て誤って転落してしまう悲しい事故が後を断ちません。タワーマンションだけでなく2階以上に住まう方は注意が必要です。
予防ポイント
・窓やベランダ付近に足台となるものを置かない。
・子どもが開けられないよう、窓をロックする器具を取り付ける。
・網戸や窓自体に劣化がないか、定期的なメンテナンスを行う。
筆者はマンション一階に住んでいますが、背の高いチェストや椅子などの家具に登ることもあります。窓付近への注意だけでなく、家具からの転落にも注意が必要です。
5歳以上に起こりやすい事故と予防法
溺水(自然水域・浴槽・プール)
5歳以上の子どもに多い事故は、自然水域や浴槽・プールなどでの溺水となっています。子どもは水深10㎝であっても溺れてしまる可能性があることをご存知ですか?顔に水が付くと何が起こったのか分からず、パニックになり溺れてしまうそうです。
予防ポイント
大人にとっては浅い場所で大丈夫だろうと思っていても、子どもにとっては大きな危険が潜んでいることを忘れないようにしましょう。また、子供が溺れる時は静かに溺れてしまうことがあるので、水辺で遊ばせる時やお風呂では目を離さないことが大切です。
夏場に大人気のじゃぶじゃぶ池など浅い水場でも、滑って転んでしまったことに驚き溺れてしまった子を見かけたことがあります。それ以降、筆者も水の近くで遊ばせる時には、目を離すことがないよう注意を払っています。
事故が起きてしまったときの対応は?
どれだけ親が目を光らせて子どもの動きを見守っていても、子どもは一瞬の隙に思わぬ行動を取ってしまうものですよね。
子どもがケガをしてしまったとき、受診のタイミングに悩む方も多いのではないでしょうか?
どのような状態のときに病院へ受診するべきか、という点についてお伝えしていきますね。
病院へ行く時のポイント
事故や怪我の状況にもよりますが、普段の子どもの様子と比べてみることが大切なポイントになります。普段よりも活気がない、食欲がない、などの変化があれば、様子を見てかかりつけ医へ相談した方が良いでしょう。
また、救急車を呼んだ方がいいケースとしては
・意識がない、朦朧としている
・痙攣が止まらない
・広範囲のやけどをした
・出血が止まらない
・呼吸が弱く浅い
・嘔吐が止まらない(例:噴水のように溢れ出る)
などが挙げられます。
上記の状態はとても緊急性が高いので、迷わず救急車を呼んで良い状況と考えられます。
受診のタイミングに迷う時
病院へ行く時のポイントについてお伝えしましたが、我が子の具合が悪いと不安や焦りの気持ちが高まり、冷静な判断を下すのは難しいですよね。今すぐ救急外来を受診するべきかどうか悩んだ場合には、「小児救急電話相談#8000」へ相談してみましょう。「小児救急電話相談#8000」は小児科医師・看護師が電話応対を行うので、急いで受診するべきかどうか相談することができますよ。
筆者も子どもが夜間高熱を出し何度か電話をかけた事がありますが、とても丁寧に話を聞きその後の指示を出してくれて安心できました。
困ったときには一人で抱え込まず、電話で相談してみてくださいね。
子どもの笑顔を守るために
子どもに起きやすい事故とその予防法についてお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか?
子どもの成長スピードはとても早く、ついこの前まで出来なかったことが出来るようになり、嬉しい反面心配ごとも増えますよね。
しかし、可愛い子どもたちの安全を守れるのは大人だけです。言葉で理解し自分で身の安全を守るのは難しい年齢なので、周りの大人がしっかり見守っていきましょうね。
最後までご覧いただきありがとうございました。
引用・参考文献:
1)子どもの不慮の事故の発生傾向:厚生労働省「人口動態調査」より引用