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子どもがビジネススキルを学ぶファーストステップとして ~メルカリの活用~

子ども遊びの定番の1つ、お店屋さんごっこ。
お店屋さんごっこで、商品を売ったり買ったりするのは楽しいですよね。
時代を問わず、子どもに人気の遊びです。

中1の娘は、なぜメルカリを始めたのか。

お店屋さんごっこと聞いて、子どもは何を思い浮かべるでしょう。実際のお店屋さんのやりとりだけでしょうか。

ネットショッピングが主流になった今、新品もリサイクル品もオンラインで買えます。
お店に行かなくても商品を買えて、便利ですよね。私自身もメルカリを使っています。

ある日、中1の娘が「私もメルカリでお店屋さんをやってみたい」と言い出しました。
大量に集めたアイドルグッズを手放したい、というのです。

親子で何度か話し合い、娘にメルカリを体験させることにしました。

ただし、“親がアカウントの操作方法などを教え、親の管理下で取引をする”という条件つきです。

娘は、メルカリで商売をすることになりました。

別記事:「どうして大人になったら働くの?」と子どもに聞かれたら、どう答える?

メルカリを使って学んだビジネススキルとは?

中学生がメルカリを使っても大丈夫なの?トラブルに巻き込まれたりしないの?

そのようにに心配するパパやママも多いでしょう。心配はいりません。
大人の目が行き届く方法で、メルカリを使えばいいのです。

参考までに、我が家のケースを紹介します。

我が家では、親用のメルカリアカウントを新たに作り、それを中1の娘に使わせています。
ただし、パスワードは教えません。大人が一緒でなければ操作できないようにするためです。

また、娘が書き込みをしたり、出品したり、何かのアクションを起こしたら、必ずチェックします。
これは、すべて親の思い通りにするという意味ではありません。親は見守る立場。
基本的には子ども本人に考えさせ、決めさせます。このような前提を親子で了承の上、メルカリを使います。

つまり、大人がしっかり見守れば、中学生がメルカリを運用することは可能です。

中1の娘がメルカリデビューをしてから約1年が過ぎました。メルカリを使って、どんなスキルを身に着けたのでしょうか?

メルカリを通して娘が習得したスキルは、おもに以下の通りです。

  • 調査力
  • 文章力
  • タイピングスキル

これらを詳しく見ていきましょう。

調査力を養う

アカウントを作ったらすぐにメルカリを使いたい。
早くお店屋さんになりたい。もちろんこれが、中1の娘の本心です。

でも、そう簡単にはいきません。まずは調査が必要です。メルカリを使う前に、多くのことを娘に調査させました。

出品予定のもの(娘はアイドルグッズ)と同じようなものを売っている、他の出品者のアカウントを調べます。どんなプロフィールか、どんな商品をいくらで売っているか、出品数と評価数のバランスなどを調べさせました。

ひとことで言えば、競合相手の調査。

娘はそれらを調べ、参考にしたい出品者を10人ほどピックアップしました。
そのような出品者のアカウントを良き見本とするためです。見本となる出品者のいいと思った点を積極的に取り入れ、自分の方法に反映させるためです。

良き見本となる出品者のアカウントを参考にしながら、娘はアカウントのプロフィールなどを書きました。

これでようやくアカウントが完成です。

次に、出品する商品と値段を決めます。

娘に値段を聞いてみると、
「これは500円くらいでいい」
「これは300円くらいかな」
と、なんの根拠もない数字を言います。

その金額からメルカリの販売手数料や配送料を差し引くと、自分の手元にはほとんど残らないどころか、赤字になりそうな値段設定もありました。

商品の金額がそのまま自分の手元に入ってくると思っていた娘は、差し引かれる金額があると知って驚きました。
ここで、メルカリのビジネスの仕組みを学びます。

娘は、自分が考えた金額で商品を売ってもメリットが少なそうだ、と判断しました。

「どうしたらいいと思う?」と聞くと、
「他の人が同じようなものをいくらで売っているのか調べてみる」との答え。

はい、そうです。市場の値段のチェックです。

商品がいくらなら売れて、いくらから売れにくくなるのか、それを調べます。

ここで1つの基準になるのが、出品者のスタンスです。

その商品を売って利益を出したいのか、利益はいらないからお店屋さん体験を楽しみたいのか、
赤字になってもいいから商品を早く手放したいのか。そのスタンスを決めなければいけません。

1つ1つの商品についてメルカリ市場での値段チェックを済ませた娘は、それらをもとに商品の売値をある程度決めました。同時に、交渉次第でその商品を値引きしてもいいと思っているかどうかを決めます。

ある程度決めた金額を、メルカリガイドの価格の決め方と照らし合わせて、金額を最終決定します。

このようなステップで売値を決めたら、次は商品の撮影です。

どんなふうに写真を撮れば、その商品を買いたいと思ってもらえるのかを考えます。
背景をどうするか、光の加減をどうするかなどをネットで調べ、それらを参考にしてスマホで撮影します。

いよいよ、商品をメルカリにアップ。
商品の状態、配送料、配送方法、発送日の目安なども入力します。

これで、取引開始の準備が整いました。

実際に取引してみる

出品すると、早速問い合わせが数件ありました。

問い合わせへの回答を中1の娘が自分で考え、
「これでどうかな?」とその文面を見せてくれました。

読んでみると、多少カジュアルすぎる。友達とのやりとりなら問題ないけれど、
ネット上でのやりとりは相手の顔が見えないから、丁寧な表現がいいよと伝えました。

相手はお客様だから、なおさらです。

  • 敬語を正しく使う
  • タイプミスをなくす
  • 分かりやすい表現
  • 失礼にならないような言い回し

と伝え、最初の数十件ほどの文面を大人が添削しました。子どもは、のみこみが早いです。

娘はビジネスで使うような表現を繰り返すうち、基本的なビジネス文章を覚えました。
良き見本となる出品者が使っている文章をまねて、積極的に見本の文章を使うようになりました。

そのようなやりとりを繰り返した結果、娘のタイピングスピードはぐんぐん上がり、今ではほぼブラインドタッチでキーを打つことができます。中学校の先生に、タイピング早いねと褒められたそうです。

失敗を経験し、失敗から学ぶ

メルカリの操作に慣れ取引回数が増えると、
それに合わせて失敗も増えるようになりました。

例えば、商品を発送する際、住所を書き間違え、先方に届かずに戻ってきたことがあります。
また、重さを計り間違え、貼った切手では足らずに商品が戻ってきたこともありました。同時に多くの購入者に発送する際、商品を取り違えそうになったこともありました。コメント欄をしばらく放置していて、レスポンスが遅いと評価されたことも。

そのような失敗が起きたとき、同じ失敗を繰り返さないためにはどうしたらいいのか。
まずは、中1の娘に考えさせました。そのうえで、効率的に進めるためのヒントのようなものを大人が伝えます。

娘は大人からのヒントや、自分がメルカリで購入した時の他の出品者の工夫を、自分の方法に取り入れていくようになりました。

それらの工夫とは、例えば以下のようなものです。

  • メルカリで使う定型文のテンプレートを作る。
  • 差出人住所を書く手間を省くため、自分の住所をシールに印刷する。
  • 封筒に同封するひとことメモを、パソコンで自作する。
  • 珍しいデザインの切手が貼ってあると嬉しいので、限定発売の切手や記念切手を積極的に使う。

まとめ

このように、子どもがビジネススキルを学ぶファーストステップとして、メルカリを活用できます。

大人の目が届く範囲で子どもにメルカリを運用させると、子どもにとってたくさんの学びがあります。
失敗からも多くを学べるし、どうすれば商品が売れるのか、どうすればお客様に喜んでもらえるのか、
そのような、学校では教えてくれない生きた経験もできます。

大人が1つ1つチェックするのは、手間がかかって大変だと思うかもしれません。
でも、その手間をはるかに超えるメリットがありますよ。

この記事のライター:み・カミーノ

特許翻訳歴16年のフリーランス翻訳者/新米ライター。15年間の保育園生活をサバイブした3人の子をもつワーママ。ライフワークは書くこと、ゴスペル、国際交流。柿の種中毒。note書いてます(https://note.com/bousuku_keyman/)

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